岡崎
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俺らが10代だったときの音楽の聴き方っていうのは、きっかけはどうあれ、インスピレーションだ |
けで聴けたんですよ。だけどいまは情報が一番先端にあるじゃないですか。情報が文化を作ってる | |
といっても過言ではない。そこのシステム自身に俺は問題がある、と。もっと若いヤツらが、アン | |
テナを張るようなものを持ってれば、別にテレビやラジオや雑誌の、そういう先端の情報に惑わさ | |
れなくなることもあるとは思うんで、そこに期待したい。どっちかっていうと、ロックンロールっ | |
てやっぱり若いパワーだから、俺らもやっぱり10代に聴いてもらいたいと思うし。自分らが聴いた | |
あの感覚っていうのは未だに忘れないから、その忘れない感覚が、俺ら30代と10代の唯一のリンク | |
点っていうか、そこを埋めたいなぁって。「原始進化」のときはそれが一番表われてて、突拍子も | |
ないことやって、キーボードをバーン!ってやって、っていうのはたぶんその感覚がちょっとあっ | |
たと思うんだけど。 | |
近藤
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俺は、たぶんいまの10代の人は満たされ過ぎてるから、求める気持ちが凄くちっちゃいと思うんだ |
よね。よくケータイの話をするんですけど、ケータイっていま普通に小学生とか中学生が持ってる | |
じゃないですか。それって情報収集能力が落ちると思うんですよね。なぜかって言ったら、たとえ | |
ば困ったときに、親に電話すれば全部教えてくれる。迷子になったら親に電話して「あぁそこは、 | |
ここ曲がって、こう行きなさい」って教えてもらうんじゃなくて、どうやって俺は帰って行けばい | |
いんだろう?って。見知らぬ人に話しかけて「ここどこですか?」って訊いたりするとかって、 | |
なったんだけど。 | |
岡崎
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自らアクションを起こすことがない、っていうことだな。 |
近藤
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うん。そういうところで、いまはやっぱすぐ情報が簡単に入ってくるから。若いときって、俺も、 |
ビートルズを聴きたいけど、洋楽を聴くならどうすればいいか?って考えたじゃない。ラジオを聴 | |
かなきゃいけない、雑誌を買いに行かなきゃならない。そこで情報を得なきゃいけない。 | |
岡崎
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一生懸命だったよね。 |
近藤
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そういうところで、本当に好きなものを自分の嗅覚を張り巡らせて、なにが自分にとって大切なも |
のかっていうのを見極める能力が、絶対できてくると思うから。 | |
岡崎
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でも付け加えるんだったら、それ、いまの大人も一緒なんじゃない? 大人もラクしたらそれで済 |
むことだから。やっぱり全部が便利になってるのは、世界の大っきい流れというか。 | |
近藤
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大人に関しては出来ると思うんだよ、意識すれば。でも子供って最初からそういうところにある |
と、もうそれが普通になっちゃうから。それが一番こわいなぁって凄く思う。 | |
岡崎
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危険だよ。 |
近藤
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でもやっぱり人はね、便利なものを求めるから。 |
松村
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でもこのあいだ、ポールマッカートニーの東京ドームのとき、隣りで観てた今井智子が「なんか今 |
日、近藤くんも来てるみたいよ」って言って。そのときに思ったね。近藤も俺もケータイを持って | |
たら終わった後「飲もうか!」って行けるのに(笑)。東京ドームの前に突っ立ってるわけにもい | |
かないしなぁと思って。 | |
岡崎
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確かにねぇ、そういうときあるけど。そのすれ違いがあるから、人間っぽいなぁと俺は思うんだよ。 |
松村
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僕がまだロッキンオンにいたとき、事務所に電話がかかってきて、若い中学生みたいな子が「ロー |
リングストーンズのアルバムを全部教えてください」って。俺は、なんてもったいないことしてる | |
んだ!コイツは、と思ったのね。そんなの自分で調べるのが面白いわけじゃない。まずレコード屋 | |
行って、まぁ全部は買えないだろうから、あるのを手に入れて。ライナー見たり、当然ストーンズ | |
本なんか出てるわけだから、このアルバムがいいとかって書いてあるのを読んで。どんどん調べて | |
揃えていくのが楽しいのに、電話一本で片付けちゃうのかなぁと思って。 | |
近藤
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まぁ松村さんも言ってたけど、やっぱ便利になって一個得ると一個失うっていうか。それを意識し |
てれば、大丈夫かもしれない。 | |
岡崎
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それは、大人はいいよね。 |
近藤
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だから大人が教えてあげないといけない。 |
岡崎
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まぁとにかく日本のロックは危険信号だと思うよ。WARNING!WARNING! |